7月のおすすめ鉢物

色も形も魅力いっぱい
「アンスリウム」
分類:サトイモ科 常緑多年草 南米原産
革のような美しい光沢のある花を持ち、高級感があります。夏にぴったりの鉢花で、一鉢あると部屋はぐっとエキゾチックなムードに!
アンスリウムの魅力の一つが、長く鑑賞できることです。丈夫で育てやすく、上手に育てると次々に新しい花と葉が出てきます。一つ一つの花の寿命がとても長く、一ヶ月以上咲き続け、美しい姿を保つため、切り花としても人気です。
豆知識
花の色づいたハート形の部分は、花びらではなく「仏炎苞(ぶつえんほう)」といいます。仏炎苞の中から天狗の鼻のように伸びる「肉穂花序(にくすいかじょ)」と呼ばれる部分が本当の花です。写真の白い部分が肉穂花序の花が「咲いている」状態です。
肉穂花序が咲き終わるとこの様になります。
アンスリウムの原産地は、南米の熱帯雨林で、他の樹木の幹に着生します。名前の由来は、ギリシャ語の花(anthosaura)」と「尾(oura)」といわれており、長く伸びた肉穂花序を動物のしっぽに見立てたのでしょうか。
写真の細長くとがった部分が次の花になります。アンスリウムは葉一枚に対し、必ず花も一つできるので、葉の数で咲く花の数も分かります。下の方に緑色がかった花がついていることがありますが、時間の経過とともに変色したものです。
生産の様子
渥美半島で鉢物のアンスリウム生産が始まったのは、今から約30年前です。
現在、田原市では20~30品種のアンスリウムが27万鉢生産されており、国内生産量の4割を占める大産地となっています。温室一面に咲いているようすは壮観です。
写真はオランダから輸入したアンスリウムの苗です。これを大きく育てて出荷しています。
生産者の栽培温室には暖房機だけでなく、冷房装置も備えられており、暑い時期にも花色が濃く、美しい高品質なものが出荷できるようになっています。
家庭での管理の仕方
花を次々に咲かせるには、室内のなるべく明るい場所に置きます。夏は直射日光が当たると日焼け・色褪せするので気をつけましょう。
最適温度は人間が快適と感じる温度と同じ18~25℃です。夏は風通しのよい涼しい場所、冬はなるべく暖かい所で育てます。
水やりは鉢土の表面が乾いてからたっぷり与え、鉢皿の水は捨てます。空中湿度を好むので、ときどき葉や苞に霧吹きで水を与えると良いでしょう。冬場は水やりを控えます。
肥料は春から秋の生育期に緩効性の置き肥を1~2か月に1回与えます。
品種のいろいろ

園芸品種の多くは「アンスリウム・アンドレアナム」という原種からつくられ、白からピンク、赤、黒っぽい茶色のものまでたいへんバラエティに富んでいます。写真左は「ピンクチャンピオン」という品種で、おそらく日本国内で最も多く生産されている品種です。
現在流通しているものではピンクや赤系の品種が大半を占めていますが、ちょっと珍しい紫色の品種もあります。写真中央は「ユタ」という新しい品種です。仏炎苞ばかりか肉穂花序も紫色で、艶のあるビビッドな発色がたいへん鮮やかです。
仏炎苞の色が複色になる品種もあります。写真右は「ザフィーラ」という品種で、緑、白、ピンクと並んだようすはまるでイタリア国旗のようです。こんな風に花茎の付け根側の部分が緑になるものを特に「おばけアンス」と呼ぶそうです。

写真左、クネっと曲がった肉穂花序が独特な風合いを醸し出しているこんな品種もあります。これは「アンスリウム・セルゼリアナム」という種類で、多くの園芸品種の元になった「アンスリウム・アンドレアナム」とは別の原種からつくられた品種です。
写真右、こちらはアンスリウムの原生種の「クラリネルビウム」です。普段見ている色鮮やかなアンスリウムとは一味違う姿形をしています。
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次回予告

来月は、切れ込みのある大きな葉が特徴の「モンステラ」を紹介します。お楽しみに!